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2012-05-06

視野

お前は視野が狭い。昨日、兄に言われた。そういうことはこれまで
も人に何度か言われたことがある。そうだ、私は視野の狭い人間だ。
視野を広げたいという思いは、当然いつだってある。だが、と思う。
この視野の狭さ。偏り。心の屈折、歪み。そして思い込みの激しさ。
これら一般的にはネガティブに考えられがちな要素が、実は表現の
重要な泉源の一つであると、私にはどうしてもそう思えてならない。
ゴッホは、セザンヌは、ピカソは、どうだったか。シューベルトは、
サティは、バルトークは、……?皆、どこかおかしい。狂っている。
信念と思い込みは紙一重。自分の信念は思い込みに過ぎないかも知
れない。だが、思い込みこそが信念の大前提であるのかも知れない。
思い込みの激しい人にありがちな、主客の大きな不一致から生まれ
るねじれと歪み。これは、間違った使い方をすれば犯罪にもつなが
るが、芸術という形で逆用すれば世界の豊かさにつながるはずだ。
とは言っても、視野を広げることは大切なことだろう。それは想像
力を養うことでもあるのだから。想像力がなければ決して良い作品
は生まれない。コミュニケーションも成り立たない。その点におい
て、やはり兄の忠告は正しい。つまるところ、視野を広げながらも
相対主義的な思考にとらわれなければ、私はそれでいい。相対主義
者は人を説き伏せることはできても人の心を動かすことはできない。
思い込みでも信念でも、なんでもいい。自分が絶対的に信じられる
ものを持ち続けること。持続。音楽家として、それが重要。

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コメント1件

  • まとめtyaiました【視野】

    お前は視野が狭い。昨日、兄に言われた。そういうことはこれまでも人に何度か言われたことがある。そうだ、私は視野の狭い人間だ。視野を広げたいという思いは、当然いつだってある…

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