toggle
2013-01-16

賛美歌

しばられた手の祈り
 あまりに長く長く 鎖にしばられた手
 あまりにも長い年月 哀願にしばられた手
 誰も熱く 抱いたことがない
 誰も温かく 握ったことがない
 おお主よ、来られて
 鎖を解いてください
 死の影差しこむ 絶望の谷間に
 夢でもしばられた 血まみれの悲しい胸
 正義に飢えて 愛に飢えた
 死骸の谷間を 死ぬほどさまよう
 風のきびしい原っぱに ひとつかみの種を蒔き
 血のにじんだこの手で 耕し刈りこみ
 汗で育てた種を あなたに捧げます
 大地の祭壇に この身も捧げます
 きれいな夕焼け 草原に燃えるとき
 土まみれの手で 人びとを迎え
 ろうそく灯して あなたの御心にまなびます
 生命捧げて暗闇追い払う 火花となりましょう
 つらい労働で 体が(四字不明)
 死んでもこの手で 自由を索めます
 輝く朝よ 花たちのさけびよ
 やがて暗闇が去り 朝がくる世界よ
先日、39年という長い歳月を経て無罪となった詩人、金芝河。
クリスチャンである彼の賛美歌。そのあまりに痛切な祈り。
そして今、鎖は解かれた。朝がやってくる。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA