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2012-04-13

詩の時間

花であること
 花であることでしか
 拮抗できない外部というものが
 なければならぬ
 花へおしかぶさる重みを
 花のかたちのまま
 おしかえす
 そのとき花であることは
 もはや ひとつの宣言である
 ひとつの花でしか
 あり得ぬ日々をこえて
 花でしかついにあり得ぬために
 花の周辺は適確にめざめ
 花の輪郭は
 鋼鉄のようでなければならぬ
           
           石原吉郎
金芝河の詩を読んで、その厳しさと激しさに衝撃を受けたが、
石原吉郎もそうだ。こんなに強く、厳しい詩を私は知らない。
この詩について、もうこれ以上何かを言うのははばかられる。
沈黙せざるを得ない。

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