2012-04-23
詩の時間
麦
いっぽんのその麦を
すべて苛酷な日のための
その証としなさい
植物であるまえに
炎であったから
穀物であるまえに
勇気であったから
上昇であるまえに
決意であったから
そうしてなによりも
収穫であるまえに
祈りであったから
天のほか ついに
指すものをもたぬ
無数の矢を
つがえたままで
ひきとめている
信じられないほどの
しずかな茎を
風が耐える位置で
記憶しなさい
石原吉郎
高校時代お世話になった国語の先生に教えてもらった。
この詩をよむと、自分は”名前負け”してないかどうか、
一瞬不安を覚えたりもする。だが、すごく励まされる。
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