2017-11-15
ケヴィン・プッツ / リチュアル・プロトコル
7月28日の京都府民ホールALTIでのデュオリサイタルから、K.プッツ作曲「リチュアル・プロトコル」の演奏動画をアップしました。ぜひご覧ください。
以下はコンサートのプログラムに掲載した解説文です。
ケヴィン・プッツ(1972 – )はアメリカ合衆国の作曲家。交響曲やオペラなど、大規模な作品から独奏楽器のための作品まで、精力的に作品を発表している。ピューリッツァー賞をはじめローマ大賞など作曲による受賞は多数。「リチュアル・プロトコル」は1998年に作曲され、同年、神戸で作曲者とマリンバ奏者名倉誠人によって初演された。Ritual Protocol は直訳すれば” 儀式的典礼 ”となる。曲は3つの楽章からなり、いずれの楽章も、共通する複数の和音を核として厳密に構築されている。
1.センプレ・レガート・マ・リトミコ(常に滑らかに、しかしリズミカルに)冒頭、ピアノが作品の核となる和音を静かに奏で、マリンバが16分音符による分散和音でそれを引き継ぐ。曲は次第に高揚しクライマックスを迎えるが、その後は大波が引いたかのように静かに終わる。
2.メスト・コン・モート(悲しげに、動きをもって)ピアノがゆったりと静かに悲歌を歌い出す。やがてマリンバが遠くから聞こえてきて旋律が交差する。旋律は一旦中間部で途切れるが、形を変えて再び戻ってくる。曲は神秘的な響きとともに沈黙の中に消えて行く。
3.♩=1447/8拍子が主体の急速な楽章。下降、上昇する音型が交差し、河のような音の流れを作り出す。核の和音は8分音符で分割されながら模様を変えて行き頂点に達する。1、2楽章同様に、曲は美しい余韻を残して静かに幕を閉じる。
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